抗がん剤の副作用|下痢への5つの対処法

抗がん剤の副作用による「下痢」は、腸の粘膜障害、白血球の減少による感染、抗生物質の使用の影響などが原因で起こります。

また、発生時期が異なる1)早発性の下痢と、2)遅発性の下痢の2種類あります。

1)早発性の下痢
抗がん剤の投与後、24時間以内に起こります。
通常の消化スピードであれば、食べた物が時間をかけて腸の中で栄養や水分が吸収されますが、抗がん剤により腸の動きが昂進し、水分が吸収されないほどの猛スピードで腸の中を通り抜ける結果、下痢になってしまいます。
2)遅発性の下痢
抗がん剤投与の数日後(数日~2週間前後におこるといれれている)に起こります。

通常、私たちの腸の粘膜にはたくさんのヒダがあります。このヒダで表面積を広くして消化した食べ物から栄養や水分を吸収しているのですが、粘膜障害が起こると、ヒダが平たくなり腸から栄養や水分を吸収できない状態になるのです。これが下痢の原因となります。

さらに、この時期は白血球の減少により免疫力が落ちてくるため、腸管感染を起こしたり、腸粘膜や肛門の炎症など、痛みを感じる症状が起きやすくなります。



下痢への5つの対処法

1.お腹を冷やさない

■痛むときは、湯たんぽを作ってもらい、腹部を温める(腹部の保温は、腸蠕動の動きや腹痛をやわらげます)

2.食事を工夫する

■一回の食事量を減らし、食事の回数を増やすようにする(食事量が多いと胃結腸反射が起き消化不良、下痢を誘発する)

腸を刺激する食べ物を控える(食物繊維の多いもの・スパイシーなもの・揚げ物・脂っこいもの・カフェインを多く含むもの・ナッツ類)

生ものを避ける(感染症を防ぐため、加熱したあたたかいものをとるようにする)

おすすめの食べ物は、消化の良いうどんやおかゆ。また、カリウムの多いポテト、リンゴやバナナなど(下痢により低カリウムになることを防ぐ:カリウムは 野菜や果物・豆類等に多く含まれます)

3.水分をうまく摂取する

■下痢になったら、脱水を避けるため、こまめな水分摂取を心がける(下痢をしたら、コップ1杯の水を飲む、など自分で水分摂取をコントロールする)

■常温または温めた飲み物をとり、冷たいものは腸を刺激することになるので避ける

おすすめの飲み物:水、薄めにしたお茶、スポーツ飲料、リンゴジュース(残渣物がなく、消化器官への負担が少ない+冷やさないで飲む)


4.清潔を心がける

■皮膚や粘膜の炎症、感染予防のため、肛門周囲の清潔を心がける

■シャワー式の温水洗浄トイレを使用する

5.皮膚に炎症をおこさない

■肛門周変のただれを防ぐため、乾燥を避け、保湿するようにする(ワセリンなど撥水性軟膏剤を使う)

■肛門部を洗うときは低刺激の石鹸を使用し、優しく洗う


下痢を起こすと、常にお腹がゴロゴロして、お腹も痛くなります。肛門周辺にただれやびらんを起こすこともあり、精神的にも苦痛を感じる症状です。また、下痢が続くことで、脱水、電解質異常(低カリウム)が起こることもあり、下痢のコントロールは非常に大事なことです。

一日に何度トイレに行ったか、便の状態を看護師に報告できるようにし、自分自身でも下痢の管理を行い、適切な下痢への対処ができるようにしましょう。

あなたの大切なひとも、あなたも、一日の始まりには「今日も美しい日だ」と思えますように。