・「急性骨髄性白血病の、闘病後の体験談が知りたい!」
急性骨髄性白血病(AML)で闘病を乗り越えた先の世界線を見てみたい人はいませんか?
7年前に急性骨髄性白血病の治療困難なタイプといわれる「M6」をわずらった妹の治療後の生活について紹介します。
この記事は、「白血病治療のあとの体験談を少しでも多く知りたい」と思っている人のために書くことにしました。
この記事の注意点は、妹の治療方法が「2回の骨髄移植や致死量ギリギリの抗がん剤治療、全身への放射線治療をふくめ、かなり厳しいものであった」ことです。
白血病治療はタイプや病状などよってさまざまであり、妹のケースはハードケースでの体験談ということをふまえて記事を読んでいただきますよう、お願いします。
記事を書いているのは、イギリス在住で元看護師、白血病を患った妹のドナーとなった経験のあるアルノです。この記事が あなた自身、または周りで闘病している人にとって役に立つことを願っています。
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妹の白血病のタイプと入院生活
妹の白血病のタイプや経過についておおまかに紹介します
このブログではなるべく医療専門用語をつかわないことを意識していますが、下記表の治療法や白血病関連の用語はそのまま引用します(例:生着など)
経過 | 内容 |
白血病のタイプ (FAB分類) | M6(急性赤白血病) |
5年生存率 (予後) | 予後不良といわれるタイプ 5年生存率はデータによって異なり、年々生存率は向上している |
発症時 2014年4月 | 職業:看護師 働いていた病院の定期 血液検査で異常値を発見 近くの病院へ行くと、すぐに大病院を紹介される 即 骨髄検査→ 白血病であると診断を受け、即入院となる |
1回めの移植 2014年 6月 | 血縁間 造血幹細胞移植 (姉であるわたしがドナーとなった) |
移植後の退院 2014年 8月 | 生着に成功し、退院 |
外来受診 2015年 2月 | 外来審査で、血液検査の異常値がわかる →白血病の再発、再入院 |
2回めの移植 2016年 9月 | 骨髄移植 (骨髄バンクのドナー提供者から) |
移植後の退院 2016年 12月 | 生着に成功し、退院 |
その後 | 外来受診で経過観察 慢性GVHDや肺炎などで入退院を繰り返す |
妹の治療法は7年前のものです。
現在は7年前より治療法がすすみ、急性骨髄性白血病は化学療法だけでも平均 20~30%の方は治癒するといわれています。
白血病にはさまざまなタイプ(分類法でちがう)があり、染色体異常により治りやすさ(予後)が違うことに注意が必要です。
妹の「M6(急性赤白血病)」のタイプは、診断当時から「予後が悪い」ことはわかっており、移植を行わなければ「5年生存率は 0%だろう」という厳しいものでした。
退院/寛解/慢性GVHDを耐えた! 7つの問題点
2回の骨髄移植に成功し 退院後は自宅療養ですごしていました。
妹の目標は、体調を回復して再度 「看護師として働く」ことでした。妹にとって看護師は天職ともいうべき やりがいを感じていた仕事だったのです。
しかし、治療の影響による心臓や肺のダメージ、慢性GVHDの症状は 予想より重く、7年たった今でも 肺炎や重度の舌炎で入退院を繰り返しています。
妹が退院後の生活で遭遇した7つの問題点を紹介します。
- 慢性GVHD(口・舌の炎症)
- 頭痛(モルヒネを飲んで和らげなければならない時期もあった)
- うつ病・精神的な不安の問題(一時は深刻なうつを患った/現在も不眠薬がないと眠れない/人間関係も必要最低限へ変化)
- お金の問題(生活費をどうするか/現在は障害年金が主な収入・親の扶養にはいっている・入院したら民間の保険金で助けられている)
- 筋力・骨量の低下(転びやすく、骨折しやすい・姿勢をしっかりと保てない)
- 仕事への復帰の葛藤(仕事の復帰は、看護師という職業柄 感染の危険性がある。体力の低下もあり、ハードな職種に復帰できない)
- 薄毛(妹の場合、移植2回めから5年間うす毛に悩まされている。これは個人差があり、私の印象では他の方で うす毛 が続いている人はまれです)
妹の現在の収入は、傷害保険です。現在は障害者等級3級になり、自動車税の軽減やバリアフリー住宅リフォームの助成などがウケられています。
障害者の認定、手帳の取得については、各市区町村の自治体によって違います。
住民票のある役所の「障害者福祉課」へ必ず問い合わせてください。自分から問い合わせなければ、自動的に助成やサポート情報が得られることはありません。
慢性GVHD(舌炎)は想像より重く、舌炎などさまざまな炎症反応(CPR値の異常な高値など)があらわれました。
肺機能や心機能、筋力も低下したので、激しい運動や階段の上り下りも体力を消耗します。嘘みたいに転びやすくなっていて、骨折しやすくなっています。
この間は、「椅子の上にのって高い場所を確認する」ということをお願いしたところ、椅子から落ちました。。頼んだわたしもびっくりです。まさか高い場所を見ることが難しいとは想像もしていなかったから。
家族や友人の理解や注意も必要です。
もしハードな治療を行っていたり、退院後の慢性GVHDが心配される人は、退院後はこれらの問題の可能性を考え、民間保険の確認を確実に、さらに投資したりブログやYoutube配信で副業を始めるなどの準備をすることをオススメします。
副業がむずかしい方は、傷病手当、失業保険、障害年金、生活保護を検討します。
移植をしなかったり、慢性GVHDの症状がでない人は仕事に復帰し今までの生活に復帰できる、それが私の個人的な感想です。
白血病やがんなどの病気に関するお金の相談は「保険・お金の相談記事」を参考にしてください。
保険のことがよくわからなければ、無料の保険相談を試すことをオススメします。
妹はがん保険ではなく民間の医療保険に加入していました。
その保険が今とても生活に役立っています。低額でもかまわないので、医療保険、さらに余裕のある家庭なら「がん保険」を一度は検討すべきだと私は思っています。
うちは妹の白血病闘病の様子をみて、家族全員が保険の見直しをしました。
本当に保険にはいっていてよかった!これは病気になった人にしかわからないことでしょう。
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寛解7年目の妹の現在の様子
妹は現は、母親と実家に二人暮らしです。
姉であるわたしはイギリス在住で、コロナ禍ということもあり すでに1年以上帰国できていません。(わたしのイギリス生活のブログはこちら)
ほぼ毎日 LINE(ライン)をつかったビデオチャットで、互いの安否確認をしています。
生活費は、母親の扶養と障害年金、入退院のときには加入していた民間保険に助けられています。
生活はギリギリです。
しかし治療中に制限されていた食べ物はすべて食べれるようになっているし、気分のいい日はドライブをして美味しいものを食べに行ったり、季節の花見をしたり、、生活を楽しむ努力をしています。
寛解生活後の通院
血液内科、呼吸器内科、心療内科(鬱)に通院しています。
主な服薬は、、
- 免疫抑制剤(ネオーラル)
- ステロイド薬(プレドニン)
その他、
慢性心不全、血圧を下げる薬、胃酸の分泌をおさえる薬、肝臓をまもる薬、甲状腺機能低に対応する薬、骨量を増やす薬、血液中の尿酸量を下ゲル薬、うがい薬(アズノール)など
さらに、
睡眠薬、うつ病に対応する薬
毎日飲んでいる薬をテーブルに並べると、すごい量!
これらの薬を毎日きまった時間に飲むことが大事なのです。
つらい治療に耐え、定期的な通院と服薬治療を7年つづけている妹を誇りに思います。
まとめ
以上、寛解生活7年目をむかえた妹の体験談、現在の問題や症状を紹介しました。
妹の「M6(急性赤白血病)」の型タイプは、診断当時から「予後が悪い」ことはわかっており、移植を行わなければ「5年生存率は 0%だろう」と言われました。
この「白血病のタイプ」と「予後がいいか、悪いか」、「5年生存率」という言葉に、当初はとまどい、一喜一憂してしまいました。
これら用語に翻弄されることなく、日本の医療技術と、お医者様の診断と自分自身の治癒力を信頼し、希望をもって治療にあたってほしい、と願っています。
妹は、最初の血縁間造血幹細胞移植からは7年、2回めの骨髄バンクからの移植からは9月で5年の節目を迎えます。
この日がくることを当時は誰もイメージできませんでした。本当にすごい。
人は思ったより強靭な肉体と精神をもっています。
それが崩れるとしたら、自分自信を信じられなくなった時ではないかな?とわたしは妹をみていて感じています。
お医者様が「今夜が峠かもしれない」と言っていときも、妹自身と私達家族は「ぜったいに乗り越える」と信じて疑いませんでした。
【妹からのメッセージ】
- 「なるようにしかならない」
- 「今の治療法がダメなら、違う方法がある」
- 「お医者様を信じ、他の道をすすむことを恐れないで」
今では当時のことをふりかえり、爆笑する日もあります。
いずれにしても人間 生まれたからには 皆平等に死をむかえます。
どう生きて、まわりにどんな影響をあたえたか?それが重要なのではないでしょうか?
わたし自身は年齢を重ねて 自分が歴史に名をのこしたり、人類の役に立つことはできないことが判明したため、せめて周りの人に優しく接したり、笑顔でいたり、褒めたりして、小さな幸せを運べるとよいな、と思っています。
ブログも愛をこめて執筆しています。あたたかいパワーを感じとってもらえたら嬉しいです。
あなたはどう生きたいですか?わたしは妹と過ごす日々を今後も楽しみにしています。
▼悩んでいる時間に旅をしてみませんか?わたしはいつも旅をするなかで自分の人生を変えてきました。
まずは、どこでもいい、旅にでてみませんか?
病気の回復をねがたり、闘病をのりこえた記念に、旅を計画するもおすすめです。
人生は一度きり、同じ日は二度とやってきません。
わたしの人生を大きく変えてきたのは、知らない土地への旅がきっかけでした。出会った人、街の雰囲気、異なる文化の体験が、自分の人生をまるごと変えるパワーを「旅」は持っています。
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あなたの大切なひとも、あなたも、一日の始まりには「今日も美しい日だ」と思えますように。アルノ