【骨髄移植】ってどんな治療なの?
だれか わかりやすく、簡単に教えて!
わたしの妹は、急性骨髄性白血病の「M6」と診断されました。
『M6』は、予後の悪いタイプの白血病といわれ、入院と同時に骨髄移植が検討されました。
そのときに悩んだのが『骨髄移植ってどんな治療?』という疑問です。
妹もわたしも看護師ですが、白血病治療については参考書で読める情報しか理解していなかったため、具体的なイメージができずに悩んだのです。
この記事では、『骨髄移植について最初に知っておきたい8つの知識』を紹介します。
記事を書いているのは、イギリス在住で元看護師、白血病を患った妹のドナーとなった経験のあるアルノです。事前に知識をみにつけることで うけるダメージを軽減できます
1)簡単にいうと骨髄移植とは どんな治療?
白血病を治療するための、最も強力で最も有効な治療法といわれています。
別の言い方をすれば、血液疾患者の病的な骨髄を、骨髄提供者(ドナー)の正常な骨髄細胞に入れ替える治療のこと。
2)大手術になりますか?
手術ではありません。
ドナーから採取した正常な骨髄液を、静脈から患者に点滴(輸注)します。
移植というと大手術になるのではないか、と思われる方も少なくないですが、本人からすると輸血をされているような感覚です。
3)骨髄移植の全体的な流れは?
・移植前処置(約2週間)
・移植当日
・生着(移植後3~4週間)
・無菌室から一般病室へ(だいたい移植後1か月で移動)
・経過良好なら退院!
…という流れです。
4)なぜ「造血幹細胞移植」、「末梢血幹細胞移植」「さい帯血移植」といろいろな言葉があるの?
一言でいうと、「造血幹細胞移植」が移植の総称です。
骨髄移植には、血液を造るモトとなる造血幹細胞が必要です。
移植の歴史の中では、最初にこのモトとなる「造血幹細胞」が豊富に含まれていた「骨髄」を採取して治療が行われました。
その後の移植技術、血液学の進歩により、造血幹細胞の入手方法が、骨髄、末梢血からの造血幹細胞、さい帯血、ミニ移植と多様化します。
そして、現在は造血幹細胞移植と総称されているのです。
5)移植の種類ごとの特徴は?
骨髄移植
血縁ドナーあるいはバンクドナーから採取された骨髄液を、そのまま患者の静脈内に輸血のように点滴注入し、造血幹細胞移植をします。
ドナーは入院し、全身麻酔をかけた状態で腰の骨(腸骨)から骨髄液を採取します。
妹は 1回目の【末梢血幹細胞移植】後に白血病を再発し、2回めにこの【骨髄移植】で治療しました。
さい帯血移植
さい帯血(さいたいけつ)とは、分娩後の胎盤とさい帯(ヘソの緒)に残った血液のことです。
臍帯血移植とは、この幼若で増殖能力に富む造血幹細胞が大量に含まれているさいたい血を移植する治療方法で、臍帯血ドナーバンクをとおした移植になります。
さい帯血移植の利点を3つ紹介します。
・保存されたさい帯血は、凍結保存されるため、ドナーを探す必要がなく、患者のタイミングにあわせた移植ができる
・患者とさい帯血のHLA抗原すべてが一致していなくとも移植ができる
・移植後の免疫反応であるGVHDが、比較的軽い
末梢血造血幹細胞移植
ドナーの末梢血(まっしょうけつ)から採取した幹細胞を移植する方法です。
末梢血とは、通常の血管を流れる血液のことです。
血液中の造血間細胞は少ないため、生着に十分な細胞数は確保できません。
造血因子であるG-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)を注射することで、一時的に造血幹細胞数を増やし、採取したものを移植に使用します。
]私と妹との間でおこなった移植は、この【末梢血幹細胞移植】です!
ミニ移植
今までの移植では、50歳以上の方や主要臓器に障害のある人は、移植をすると肉体的負担が大きく、骨髄移植は難しいと判断されていました。
ミニ移植とは、抗がん剤治療や放射線療法などの前処置を軽量化してできる造血幹細胞移植です。
この移植法によって前処置負担が減り、現在最高70歳までの患者がミニ移植を受けられるようになりました!新しい移植法です。
ミニ移植など 高齢者の白血病については、こちらの記事を参考ください。
6)どうなったら移植成功というの?
移植日から約2週間後に、移植した造血幹細胞が働きはじめ、ドナー由来の造血が認められる状態になった状態を「生着(せいちゃく)」といいます。
生着したら第一段階の成功です!!
しかし、生着したからといってまだまだ安心できません。
つぎに、移植後100日以内に発生する急性GVHD(移植片対宿主病)という症状が現れます。(現れない場合もある)
これは、移植したドナーの白血球(リンパ球)が、患者の体内の各臓器を「他人=異物」として認識してしまい、攻撃することによっておこります
急性GVDHで攻撃される主な臓器は皮膚・肝臓・腸の3つ。
皮膚の紅斑(こうはん)や水疱ができる、重篤な下痢、黄疸などの肝機能障害が主な症状です。
GVDHの症状が落ち着き、容態が安定すれば無菌室管理が必要なくなり、一般病棟へ移ります。
これらを乗り越え、経過良好であれば退院となります。
ドナーになれる人は?
誰でもドナーになれるわけではありません。
ドナーになれる人は以下の人たちです。⬇
自分:自家移植
血縁者:兄弟姉妹でHLAという血液型が完全に一致した人→ 一致しない場合、両親・子供(それ以外は非血縁者と同じ程度になる)
非血縁者:骨髄バンク(国内、海外)
さい帯血:さい帯血バンク
8)家族や友人の面会はどうなるの?
病院によって面会ルールは異なります。
妹の病院では家族の面会、泊まり込みが許可されていました。
しかし患者は非常に感染しやすい状況なので、風邪をひいていたりと面会者が感染症にかかっている場合や、小さい子供の入室はよほどのことがない限り制限されます。(病院によります)
【骨髄移植で入院する人への面会で注意すべきこと】
清潔な服装
マスクをする
髪を束ねる
入室前に手洗いをしっかりする
風邪をひいていたり体調が悪いときは控える
身近な者が感染症にかかっている場合も面会を控える
花束、生ものの菓子などもっていかない
小さい子どもをつれていかない
自分が感染源とならないよう細心の注意をはらいましょう!!
【無菌室】にいる人のお見舞いについてまとめている記事も参考になります。そもそもお見舞いをしていいのか、お見舞いの品はどんなものがOKで、どんなものがNGなのか わかります。
まとめ
以上、骨髄移植治療について、最初に知っておくべき8つのことをまとめました。
白血病を患った本人の血縁関係、病気の進行状況、白血病の型(種類)など、患者をとりまく移植の状況はさまざまです。
どのような移植がよいのか、ドクターとしっかり話し合いながら 本人とそして家族が納得する方法を決めるのです。
骨髄移植をすると助かりますか?命の保証は?
この問いかけについては、骨髄移植した家族の視点からはっきりということができます。
「命の保証はありません」
しかし、妹は2回の移殖を乗り越え、現在は自宅療養中です。生きています。生活できています。
骨髄移植は、肉体的な苦痛を伴い、精神的にも非常につらい治療です。
しかし、妹の場合、「生きるため」の選択肢は「移植」だけしか残されていませんでした。
移植の選択については、「自分自身が納得し、最後は自分が決めること」これが一番重要なことだとわたしは思います。
まずは、どこでもいい、旅にでてみませんか?
病気の回復をねがたり、闘病をのりこえた記念に、旅を計画するもおすすめです。
人生は一度きり、同じ日は二度とやってきません。
わたしの人生を大きく変えてきたのは、知らない土地への旅がきっかけでした。出会った人、街の雰囲気、異なる文化の体験が、自分の人生をまるごと変えるパワーを「旅」は持っています。
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あなたの大切なひとも、あなたも、一日の始まりには「今日も美しい日だ」と思えますように。アルノ