白血病には種類があるの?
どんな種類の白血病があるの?
そんなあなたの疑問を解決します。
多くの人が ひとくくりに「白血病」といっていますが、白血病にはさまざまな種類があります。
例えば、私の妹が患った「白血病」は「急性 骨髄性 白血病」であり、急性骨髄性白血病におけるFAB分類の「型(かた)」は、「M6」=赤白血病になります。
今回は、この白血病の種類について、簡単にわかりやすく説明します。
骨髄性?リンパ性?
白血病は がん化した細胞がどこで増殖するかによって「骨髄性」と「リンパ性」に分かれます。
日本で多いのは「リンパ性白血病」より「骨髄性白血病」、さらに「慢性」より「急性」が大半を占めていると報告されています。
また子供の場合、小児の死因で一番多いのが「小児がん」ですが、小児がんの中で最も多いのが「急性リンパ性白血病」です。
急性?慢性?
さらに病気の進行パターンや症状から「急性」と「慢性」に分けられています。
急性か慢性かを考えるときに大切なことが「急性」と「慢性」は全く異なる病気だということです。
「急性白血病は、慢性白血病が突然悪化したの?」「慢性白血病は、急性白血病が長引いた状態のこと?」という声があったので念のため。
急性白血病
急激に白血病細胞が増えて正常な血液が造れなくなり、正常な赤血球、白血球、血小板の数値は減っていきます。
進行が急速なので、治療をほっておくと命の危険があります。
⬇『急性骨髄性白血病の8つの初期症状』の記事が参考になります。

慢性白血病
血を作るモトとなる造血幹細胞の遺伝子が傷つき、造血コントロールできなくなった結果、がん化した血液細胞が無制限に増殖し白血球の数は増えます。
進行はゆっくりで、初期症状はほとんどありません。
⬇『慢性骨髄性白血病(CML)について知っておきたい10のこと』の記事が参考になります。

白血病の分類法
白血病の世界的な分類法には、FAB分類とWHO分類があります。
なるべく簡単に説明しますね。
1.FAB分類
フランス・アメリカ・イギリスの研究グループ(French‐American-British)によって1976年に提唱されました。
血液腫瘍の代表的な分類法として世界的に普及しています。
骨髄中の細胞全体の中で白血病細胞(芽球ともいう)が30%以上で急性白血病と定義します。
2.WHO分類
新しい白血病分類法として、200年にWHO分類ができ、さらに新しい版が発行され続けています。
WHO分類では、骨髄中の白血病細胞(芽球)の比率が20%以上で急性白血病と定義されます。
⬇白血病の『型』や『予後』についてはこちらの記事で紹介しています。

白血病の種類
1.急性骨髄性白血病(AML) FAB分類で8つにわかれている
- M0-急性未分化型骨髄性白血病
- M1-急性未分化型骨髄芽球性白血病
- M2-急性分化型骨髄芽球性白血病(比較的予後は良好)
- M3-急性前骨髄球性白血病(予後良好)
- M4-急性骨髄単球性白血病(M4Eo は予後良好)
- M5-急性単球性白血病
- M6-赤白血病
- M7-急性巨核芽球性白血病
2.急性リンパ性白血病(ALL) FAB分類で3つにわかれている
- L1-小児型のALL(予後良好)
- L2-成人型のALL
- L3-バーキッド型
3.慢性骨髄性白血病(CML)
4.慢性リンパ性白血病(CLL)
5.その他、特殊なタイプの白血病
・二次性白血病(抗がん剤の治療後に発症)
まとめ
ネットで白血病を検索していても、さまざまな病名が目に留まるのは、分類によって白血病の種類が細分化されているのだ、という理解でひとまずはよいと思います。
このように、「白血病」といっても、多くの種類に分かれています。
なぜこんなに たくさんの種類に分けなければならないのでしょう?
それは、分類することによって、それぞれの病気にあった治療スケジュールや、治療に使う薬、移植のタイミング、再発しやすいかどうかの判断に役立てるためなのです。
そのため、分類法は改定が行われ続け、その精度を高める研究がなされています。
白血病の種類については、どのタイプの白血病なのか、FAB分類の「型」は何か、その簡単な意味を知っておくことは、全体的な治療の方向性を知るうえでも重要です。
▼『白血病』と診断されて、はじめに知っておきたい情報はこの記事でまとめています。
あなたの大切なひとも、あなたも、一日の始まりには「今日も美しい日だ」と思えますように。