抗がん剤の副作用で「脱毛」ほど精神的なショックを受ける症状はありません。
朝起きてベッドの枕元に何本も落ちている髪の毛。
それを拾い集める自分や家族。。
わたしは、は妹の抗がん剤治療が始まると、わざと「全部抜けるんだよ、つるっぱげになるんだよ。似合うかつらや帽子を考えようよ!」と前もって何回も本人に言っていました。
かつらや帽子がどこで手に入るのかネットで調べたり、実際のかつらの試着会に参加してもらいました。
抗がん剤治療が始まってからというもの、髪の毛が枕に落ちているのを見ては涙、シャワー後にごっそり抜ける髪の毛をみては涙、、の日々でした。
この記事では…
- 治療前にできる対処
- 治療中の脱毛ケア
- 帽子とかつら(医療用ウィッグ)について
- 体験者の脱毛についての声
…こんなことがわかります。
抗がん剤の影響による脱毛は、抗がん剤治療がおわるとまた髪の毛は伸びてきます。
なるべく刺激をさける などのケアをしてこの時期を乗り越えましょう。
治療前にできる対処
・髪の長い人は、短めにカットする。(男性は、思い切ってスキンヘッドにしておくのもおすすめ)
・低刺激のシャンプー・リンスを用意。
・地肌をいたわる、やわらかいタオルやブラシを用意。
・コロコロローラーやガムテープを用意。(掃除用)
治療(抗がん剤)中の脱毛のケア
1)やさしく髪を洗う
・低刺激シャンプーで、爪をたてないようにやさしく洗う。
・リンスは絡み防止のためと考え、毛先だけにつける。
・髪を梳くときのくしは、毛先の柔らかいヘアブラシにする。
・髪を乾かす時は、やわらかめのタオルで優しくたたくようにして乾かす
・ドライヤーを使うときは、低温で。
2)抜けた髪の毛を掃除する(清潔のため)
・抜けた髪の毛はコロコロ掃除ローラーや、ガムテープなどで、こまめに掃除する。
最初は、たくさんの抜け毛にショックを受けます。
しかし、この時期に大事なことは、こまめな掃除でべッドを清潔にすることです。
その他の体毛のケア
まゆ毛の脱毛
顔の中でのまゆ毛の存在は大きく、まゆ毛がなくなると顔のイメージもかわります。
まゆ毛の脱毛に対しては「やわらかいアイブロウペンシルやジェルでまゆ毛を書く」などの対策を。
入院前に眉毛のアートメイクをしてくる人もいました。(メディカルアートメイクという施術もあります)
うっすらとまゆのシャドウを書くだけでも印象は変わります。
まつ毛の脱毛
病院内でそこまでする人をみかけたことはありませんが、ケア方法として「つけまつげをつける」「アイラインを引く」ことができます。
入院前にアイラインのアートメイクをしてくる人もいました。(メディカルアートメイクという施術もあります)
これなら、メイクしなくてもパッチリした目元を維持できます。
また、まつ毛がないことでホコリやゴミが目にはいってきやすくなります。
その場合は、メガネ(だて眼鏡でも)をかけてホコリやゴミから目を守りましょう。
メガネは、まつ毛の脱毛の印象も薄めてくれるお助けアイテムです!
鼻毛の脱毛
鼻毛がないと、乾燥しやすくなり、ホコリが入ってきやすくなります。
乾燥やホコリにはマスクが有効です。
ひげの脱毛
そんな人いるのか不明ですが、どうしてもつけたい方は、「つけひげ」があります。
帽子やかつら(ウィッグ)について
➀帽子について
抜けた毛が落ちるのを防ぐ役割もある重要な帽子!
■ケア帽子(フィットキャップ):病院の売店にも売っていますが、ネットでもいろいろな種類が売っています。手作りすることもできます。市販の帽子でもいいですが、理想は縫い目がない、中にタグがないもの。以下は帽子の販売店の参考に。
■バンダナ(コットン100%のもの)
■スカーフを頭に巻く(シルクやコットン素材のもの)
■ヘアアクセサリーバンドを巻く(トップ画像の女の子のようなヘアバンド)
私は現在イギリス在住ですが、こちらの抗がん剤治療中の女性は、たっぷりのスカーフを巻いていたり、スキンヘッドで堂々としている姿を見かけます。
女の子の白血病患者の子は、トップ画像のようなアクセサリーヘアバンドをつけている子が多いです。
海外では男性のスキンヘッド率は日本にくらべるともともと多いので、スキンヘッドの男性をみてもヘアスタイルのひとつとしてしか見られません。
妹の入院先の病院でも、スタイリッシュなケア帽子や上品なリボンのついたケア帽子でおしゃれを楽しんでいる方はたくさんいました。
②かつら(医療用ウィッグ)について
かつらが必要になるのは、退院時と退院後です。
⬇1万円前後で買える医療用ウィッグはこちらの記事で紹介しています。

⬇こどもの医療用ウィッグは無料でつくる方法があります。詳しくはこちらの記事が参考になります。

脱毛について体験者の声
妹の場合は、治療前はストレートの腰の強い髪でしたが、新しく生えてきた毛はくるくるしたくせ毛です。
■「白髪が多くなった気がする」
■「すぐ伸びる人と、なかなか伸びない人がいる」
あくまでも私が実際に体験者から聞いた声です。
まとめ
以上、「脱毛は必ずおこる、あなたにできる対策【抗がん剤の副作用】」の記事を紹介しました。
脱毛は、抗がん剤の影響により毛母細胞(体毛の根の部分にある毛を作るモトになる細胞)がダメージを受けることによって起こり、治療がはじまってから、だいたい2~3週間後に起こります。
脱毛する量や抜け方は、抗がん剤の薬の種類や用量、投与法、その人その人によって異なり、少しずつ薄くなる人もいれば、2か月ほどですべて脱毛する人もいます。
脱毛は、痛みもなく、命にかかわることではありませんが、外観に大きく関わるため
「自分自身が変わってしまった」
ような不安を感じやすい。
実際の治療の中で前向きに考えるのは難しいかもしれません。
「治療が終了すれば、また生えてくる」と、次に生えてくる新しい毛のために頭皮を守り、刺激を与えないような生活が送れることを願っています。
そして、自分だけで悩まず、ドクターやナース、臨床心理士に自分の気持ちを伝えるように努力してみてください。
自分が辛いと感じていることをまずは誰かに知ってもらうことで、自分自身が辛いということを自覚できるし、誰かの助けを得ることができます。
どうか、自分だけで悩まないでください。
抗がん剤の副作用によって起こる他の症状については、こちらです。対処法がわかるので、ぜひ参考にしてください。
▶皮膚の黒ずみや乾燥
▶爪の変化

▶口内炎

▶吐き気

▶下痢

あなたの大切なひとも、あなたも、一日の始まりには「今日も美しい日だ」と思えますように。