白血病は血液検査だけでわかるの?【検査方法と骨髄穿刺について迷っている人が読む記事】

・「白血病って毎年の健康診断でわかるのかな?」

・「白血病の検査ってどんなことをするのかな?

そんな疑問をもっているあなたは、今とても不安だと思います。

白血病は血液検査でわかるのか?」の答えと、白血病の診断にはどんな検査があるのかをわかりやすく紹介します。

アルノ

記事を書いているのは、イギリス在住で元看護師、白血病を患った妹のドナーとなった経験のあるアルノです

目次

白血病は血液検査だけでわかるのか?

まず、冒頭の疑問の答えを先に言ってしまうと…


「白血病の確定診断は、血液検査だけではわかりません」

白血病の確定診断のための検査は、骨髄(こつずい)の検査が必要です。


私も 血液検査で異常値がみつかった妹が大きな検査をうけた と聞いた時、どんな検査だったのかとても心配しました。

わかりやすく説明します。

1)血液検査

最初の血液検査は、ほとんどの人が家や仕事場の近くのかかりつけ医院で行います。

通常とおり腕から採血して、血液検査を行います。

血液検査の結果が…

❍赤血球や白血球が基準の数値より増えたり減ったりしている

❍異常な細胞がみられる

血液がこんな状態のときに、なぜ血液が異常値なのか原因を突き止める必要があります。

そのため、血液をつくるはたらきをしている骨髄(こつずい)を検査することになります。

骨髄の検査方法は、「骨髄穿刺(マルク)」と「骨髄生検(こつずいせいけん)」という2つの方法があります。

この 骨髄の検査ができる病院(多くは血液内科のある総合病院)で骨髄検査をうけることになります。

血液検査だけでは白血病の確定はできません。

血液検査の異常値の原因を調べるための検査が「骨髄検査」です。

アルノ

原因不明の貧血や悪性リンパ腫、再生不良性貧血などの他の疾患が疑われるときにも骨髄の検査が必要になります。

2)骨髄の検査

骨髄とは、体のすべての骨の内側にある臓器です。

この骨髄ですべての血球がつくられています。(白血球・赤血球・血小板)

そのため、血液検査で血液疾患の疑いがあれば、この骨髄のなかをみる必要があります。

骨髄での血液をつくる働きの異常か正常かを見極めるため。

そのための検査が、「骨髄穿刺(こつずいせんし)」「骨髄生検(こつずいせいけん)」です。

通常は、骨髄穿刺のみで検査されますが、

骨髄穿刺で骨髄がとれないときや、疑われる病気によっては骨髄生検が必要なことがあります。

アルノ

骨髄穿刺は病院で通称「マルク」とよばれています。

①骨髄穿刺(マルク)

マルク(骨髄穿刺)の方法は、かんたんにいうと…

麻酔をかけたうえ、背中から骨(腸骨)に針を刺し、骨の中の骨髄液を注射器で取る

という検査です。

胸の胸骨にマルク(骨髄穿刺)を行う場合もありますが、最初の診断時の体験談としては聞いたことはありません。

急性骨髄性白血病と診断されたわたしの妹も、背中からのマルク(骨髄穿刺)でした。

「マルク(骨髄穿刺)」といえば、「痛くてヤバイ検査」として白血病の患者さんから嫌われています。

アルノ

「ゴリゴリされる感じがめちゃくちゃ痛かった」という話と「思ったほど痛みはなかった。余裕」、「一回目は痛かったけど、2回めは痛くなかった」などの話を聞きました。

強い痛みが恐れられるマルク(骨髄穿刺)ですが、現代医学における白血病の確定診断にはなくてはならない検査です。

②骨髄生検(こつずいせいけん)

骨髄生検は、すべての人の最初の診断に必要な診断ではありません。

骨髄穿刺をしても骨髄を注射器で吸い取ることができないことがあります。

しかし、診断や検査には、骨髄が必要。

そこで、骨の一部をとって骨髄を調べる という検査が行われます。

アルノ

これが、骨髄生検(こつずいせいけん)です。

マルク(骨髄穿刺)をしても骨髄がとれないことを「ドライ・タップ」といいいます。

3)骨髄の検査で何を調べるの?

マルク(骨髄穿刺)や骨髄生検でとられた骨髄液で 次のことを調べます。

  1. 血液細胞の数、形
  2. 血液細胞表面のマーカー検査
  3. 染色体に異常がないかの検査
  4. 遺伝子検査
  5. 白血病細胞の数、形

血液検査の異常値が、何が原因で起こっているのかを調べるのです。

アルノ

結果がわかるまで、だいたいマルク(骨髄穿刺)で2~3日、骨髄生検には1~2週間といわれています。

しかし、結果がわかるまでの期間には病院によって違います。

妹の場合は、マルク(骨髄穿刺)を行った当日に病院から電話がかかってきて、検査結果がわかりました。

骨髄検査で、白血病の確定診断が行われます。

アルノ

万が一白血病が確定する場合は、白血病の種類や型までわかります。

まとめ

以上、『白血病の検査方法』についての記事でした。

白血病の検査について、まとめると…

・白血病の確定診断には、まず血液検査、その後に骨髄の検査が必要

・骨髄の検査方法には、「骨髄穿刺(マルク)」と「骨髄生検(こつずいせいけん)」の2つの方法がある

・ふつうは、背中から注射針で骨髄を吸い取る方法の「骨髄穿刺(マルク)」を行って、確定診断される

 ということがこの記事でわかったと思います。

注意点として(個人差があります)、マルク(骨髄穿刺)のあとに、腰痛や頭痛、めまいを感じると聞いたことがあります。を運転して病院でマルク検査をうける場合は、注意してください。

(妹は車の運転を1時間かけて自宅へ戻ってきました)

「マルクって怖い、痛いんでしょ?」と不安なあなたへ。

マルク(骨髄穿刺)のときにちょっぴり和む下のTweetを紹介します。

骨髄穿刺の同意を取るとき「骨髄液を注射器で吸う時に痛みが出る人と出ない人がいます。どちらかというと若い人の方が痛いようです。なので、もし痛かったら、ご自身が若いと思って下さい。」と言うと、小笑いが生まれて場が和むし、患者さんも痛かったときにちょっと嬉しいのでおススメ。

— 森 甚一 (@jinichimori) 2018年8月25日

白血病の初期症状や原因についての記事は「白血病の原因や初期症状【白血病を心配する人へ】」でまとめています。

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あなたの大切なひとも、あなたも、

一日の始まりには「今日も美しい日だ」と思えますように。アルノ

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