「放射能でがんになるの?」
「電磁波は健康に影響があるの?」
日本は原爆を投下され、長崎・広島に多くの被爆者がでた世界で唯一の国です。
そして、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震がおきました。
この事故により福島第一原子力発電所事故所で炉心溶融(メルトダウン)が発生。放射性物質が現在でも放出され続けている国でもあります。
日本という国において無関係ではいられない、放射線の白血病やがんなどの健康への影響。わたしのまわりでも心配する人はとても多い。
もし、あなたが何らかの「放射線の健康への影響」を心配しているなら、ぜひこのページを読んでみてください。
記事を書いているのは、イギリス在住で元看護師、白血病を患った妹のドナーとなった経験のあるアルノです。この記事を読むことで、放射能、放射線への暴露が特別なことではなく、わたしたちの日常の どの場面に潜んでいることがわかるはずです。
放射線とは?
放射線は、もともと自然界に存在しています。
例えば宇宙からの宇宙線、大地からの自然放射線、空気中のラドンなど、、自然由来の放射線量は、日本平均で年間2.1 ミリシーベルトといわれています。
私たちは、日常の中で意識せずともさまざまな放射線を受けて生活しているのです。
そして、この放射線は2種類あります。
1)非電離放射線(Non ionizing radiation)
紫外線A(UVA)、可視光、赤外線(A、B、C)、マイクロ波、また高周波、低周波がこの非電離放射線にあたります。
この種の放射線はかなり弱く、携帯電話やPC端末から放出されるものも含まれます。
スマホなど携帯電話は、脳腫瘍のリスクなど、いくつかの懸念が心配されていますが、現在のところ、そのリスクは比較的小さいと考えられています。
UVA 太陽光線、ブラックライト 日焼け、白内障、日焼けや角膜の炎症。長期的な影響:皮膚がん 可視光 太陽光線・火・電球・LED 肌の老化、網膜の損傷 紫外線A リモコン・レーザー やけど、網膜の損傷、白内障 紫外線B レーザー、長距離通信 角膜の損傷、白内障、皮膚火傷 紫外線C 遠赤外線レーザー 角膜の損傷、白内障、体表面の加熱 マイクロ波 携帯電話、電子レンジ、レーダー、Wi-Fi 生体組織の加熱、電磁界にさらされると、露出した組織は電波やマイクロ波エネルギーを吸収して熱に変換するため、組織を暖める仕組み 高周波 携帯電話、テレビ、FM、AM 生体組織の加熱、体温の上昇 低周波 送電線 体表面の電荷の蓄積:神経や筋肉の反応の阻害 静電磁場 強力な磁石、MRI 磁力による影響: めまい、吐き気
電解による影響:体表面の電荷の蓄積※Wikipedia「非電離放射線」参照
2)電離放射線(Ionizing radiation)
電離放射線は 白血病、がんなど健康被害に明らかに関連しています。
電離放射線は強力なエネルギーで特定の化学結合を破壊し、原子から電子を取り除き、細胞内のDNAを損傷するのです。
どのような種類があるのかみていきましょう。
電離放射線の7つの種類
原爆
1945年8月、広島と長崎に原子爆弾が投下され、直後には爆心に近いひとの多くが放射線と熱線・爆風によって亡くなりました。(広島の人口の約33%、長崎の人口の約28%といわれる)。
直後の死因(半径1.2km以内での)は、爆風による外傷、放射線障害がともに20%、熱線と2次的火災による火傷が60%だったといいます。
次に人々を襲ったのが【急性障害】といわれる症状。
まず発熱・下痢・吐血による全身の衰弱。頭痛・脱毛・不眠・食欲不振・吐血など出血・月経異常・皮膚の出血斑点・口内炎・口腔咽頭部病変など。病理的には白血球や赤血球の減少などのさまざまな症状がでました。
これら【急性障害】といわれる症状は、約5か月後にはほぼ終息しました。
次にやってきたのは原爆の放射線による【後障害】です。
爆発による直接的な死を免れた人にも、放射線は長期にわたり健康に影響を与え続け、種々の臓器にがんや機能異常をもたらしました。
後障害には、原爆投下から5年たった頃から白血病患者(多く発症したのが慢性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病、ついで急性骨髄性白血病)が増加。
10年経った頃に甲状腺ガン、胃がん、肺がん、乳がん、肺がんなどのガンが多発。体内被曝による胎児の小頭症や精神遅滞なども報告されています。
現代においても 放射線の長期的な影響を十分に解明できていません。
世界中の研究所や日本の放射線影響研究所(放影研)などで調査や研究が続けられていますが、現代においても 放射線の長期的な影響を十分に解明できていません。
世界中の研究所や日本の放射線影響研究所(放影研)などで調査や研究が続けられています。
原子力事故
1986年4月26日にソビエト連邦(現ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所4号炉で爆発事故がおきました。
チェルノブイリ原発事故の生存者は、メルトダウンから2〜5年後に白血病のリスクが高まりました。被ばくした人々は、被曝していない人々の2倍の白血病発症リスクを持っていることが明らかになったのです。
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震により福島第一原子力発電所事故で炉心溶融(メルトダウン)が発生。放射性物質の放出され続けている国でもあります。
チェルノブイリ原発も福島第一原発も、国際原子力事象評価尺度 (INES) において最悪のレベル7(深刻な事故)に分類され、世界最悪の原子力発電所事故にリストアップされています。
医療診断用の放射線(レントゲン・CTなど)
1895年に発見されたX 線は、今や医療診断になくてはならない技術ですが、現在は放射線による人体への影響、放射線障害が問題となっています。
このX線、発見されてわずか数年後に発がん性があることが判明しました。
懸念されるのは、特に小児に対するレントゲンの危険性、レントゲンよりはるかに多い放射線を含む CT検査、骨シンチグラフィー、PET検査などのリスクです。
放射線治療
放射線治療とは、がん細胞に高エネルギーのX線を体の外から照射する治療法です。
薬物療法との併用、癌を死滅させる、転移を防ぐ、再発を防ぐなどの目的で使用されます。しかし、がんを治療するための放射線療法は、二次がんを発生(白血病の場合は特に急性骨髄性白血病)させる事例が報告されています。
そのリスクは放射線照射後5〜9年間に最も高くなるといわれます。
リスクは癌の種類、放射線の場所と、使用される線量によって異なります。
放射性ヨウ素療法
放射性ヨウ素内用療法とは、放射性ヨウ素のひとつであるヨウ素-131というアイソト-プの入ったカプセルを飲んで、甲状腺の病気を治療する方法。
甲状腺機能亢進症であるバセドウ病、または甲状腺がんの治療として放射性ヨウ素療法が使用されます。
この治療が白血病のリスクの増加と関連し、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病のリスクが高くなるといわれています。
飛行機にのる
飛行機での旅は、放射線(宇宙線)への暴露を伴っています。この量の電離放射線は比較的少ないため、心配する量ではないといわれています。
ちなみに北極など極北への飛行がもっとも危険といわれます。
危険な飛行は、宇宙旅行。
宇宙飛行士は大気圏外にいるため、放射線から守ってくれる遮蔽物がありません。その結果、多量の放射線を浴びていることになるのです。
火星移住に対するいくつかの問題点のうちのひとつがこの「放射線をいかに防御するか」、ということです。
放射性物質
職業としてのウラン採掘は白血病のリスクを高めます。
タバコに含まれる放射性物質への曝露も懸念されています。
植物のタバコには低濃度の放射性物質であるポロニウム210が含まれています。
タバコ製品は、成長する土壌でこれらの物質を吸収し、【タバコを吸う】ことは内部被ばくを招いていることになるのです。
詳しくは、こちらの記事に詳しい内容が紹介されています。
被爆とは?
人体が放射線にさらされることを被曝と言い、次の2つに分類されています。
外部被曝
体の外部にある放射線を浴びることによる被爆(例:レントゲン)
内部被曝
皮膚から、また経口摂取、口や鼻から吸い込むなど、放射性物質を体内に取り込んだことによる被曝。長期にわたり深刻な影響を及ぼす。(例:汚染された水道水・食品を摂るなど)
まとめ
以上、健康への危険因子を知るための、放射線とその影響、ガン・白血病の関係を紹介しました。
この記事でまとめたことは、海外では一般的に紹介されていることです。
放射線は生物にとって有害であり、浴びた放射線の線量に応じて人体に何らかの障害、放射線障害が現れる危険物質。
喫煙も、レントゲンも、飛行機での旅も私達はあらゆる場面で放射線にさらされています。今や原子力発電事故も、常にどこかの国で起こりうる危機です。
しかし、「知っているかどうか」で影響を減らす努力をすることができます。
ここで注意してほしいのは、紹介したもの = すぐに対処すべき危険 ではないということ。
レントゲンも放射線治療も放射性ヨウ素療法もCTだって診断や治療において必要なことです。
環境省・放射線物質汚染廃棄物処理情報サイトがわかりやすく、参考になります。
「身の回りにある放射線」
▶白血病の原因となりうる14 のリスクについては、こちらの記事が参考になります。さらに深く理解できるはずです。
▶放射性元素であるポロニウムとラジウムを発見したキュリー夫人についてはこちらの記事が参考になります。
▼抗がん剤の副作用で起こるつらい思いをすこしでも避けるため「あなた自身ができること」について紹介しています。化学療法をうける方やそのご家族、友人のみなさん、ぜひ参考にしてください。
▼医療ウィッグについてはこちらの記事が参考になります。
▼入院の持ち物準備リストはこちら。必須のものやあったら入院生活が快適になるものなど、元看護師の目線からわかりやすく紹介しています。
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