白血病の治療

白血病の新薬をわかりやすく!キムリアとCAR-T治療、その効果やリスクは?

CAR-T 遺伝子治療 免疫療法

白血病の新薬ってどんなものなの?

遺伝子治療ってなに?

CAR-T細胞療法って注目されているけど、どんな治療法なの?

そんなあなたの疑問にこたえます。

【白血病の新薬】である『キムリア』。

この新薬が、日本の厚生労働省で薬価の決定と、保険が適用されることが大ニュースになりました。(2019年5月14日)

『キムリア』は、最新のがん免疫治療法である「CAR-T細胞療法」 に使われる「白血病の新薬」といわれる薬です。

「白血病の新薬」、「CAR-T細胞治療」とはどんなものなのでしょう?

「CAR-T細胞治療」は、わかりやすい「白血病の新薬」の他に「遺伝子治療」や「がん免疫療法」、「がん免疫細胞療法」などと表現されています。

ウサギさん
ウサギさん
この記事では、薬学や医学の知識がなくても大丈夫!「CAR-T細胞治療」とはなにかをわかりやすく説明します。

この記事を読むことで、こんなことがわかります。

  1. 「白血病の新薬、CAR-T治療法とは何か? 」
  2. 「その対象者は? 」
  3. 「実際の治療内容は? 」
  4. 「効果はあるのか?」
  5. 「問題はないのか? 」

早速 紹介します。

白血病の新薬と遺伝子治療とは?

白血病の新薬は、「キムリア」に代表される薬。

その「キムリア」は、遺伝子治療と総称されることの多い「CAR-T療法」につかわれます。

「CAR-T療法」とは、「Chimeric Antigen Receptors Cell Therapy」の略語で「キメラ抗原受容体細胞療法」ともいいます。

読み方は、「CAR-T=カーティ」つまり、カーティ治療法とよみます。

この治療法は、免疫療法の一種で、がん患者自身の免疫細胞(T細胞)を取り出し、攻撃する力を高めるためCAR-T遺伝子を組み込んでから、患者の体内にもどす ことで治療する(がん細胞を攻撃する)、という治療法です。

ウサギさん
ウサギさん
この免疫増強治療法は、欧米ではすでに実施されています。
ペンギンくん
ペンギンくん
アメリカでは2017年8月に初承認され、イギリスでは2018年10月に承認されました。世界でも最先端の医療です。

対象となるのは、以下の患者さんです。

ウサギさん
ウサギさん
ここで注意してほしいのが、白血病の新薬が「すべての白血病患者さんに適用される」わけではない!ということです
がんが再発するなどし、これ以上標準的な治療法(例えば2回の移植でも再発など)では効果が期待できない難治性と考えられる場合で、次の疾患の患者さんが対象となります。
 
❍急性リンパ性白血病のうち、25歳以下のB細胞性急性リンパ芽球性白血病

❍悪性リンパ腫のうち、成人のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫

 

現在国内では、約250人ほどいると考えられています。

今までの治療法で治っている人も多いため、この最新治療が採用されるのは、再発や難治性が確認されたごく一部の患者さんになります。

しかし抗がん剤治療が効かない、移植でも完治しなかった患者さんやその家族にとっては、白血病の新薬「キムリア」や、CAR-T治療の日本での承認は極めて重要なニュースなのです。

ウサギさん
ウサギさん
CAR-T細胞は、B細胞腫瘍に対する攻撃能力が高いため、B細胞疾患が対象となるのです。

どんな治療になるのか?

治療期間は、実際には数週間かかるといわれます。(長くても2週間ほどの入院となる)

全体的な流れ

最初に患者さんの血液が採取され、製造元の検査室に送られます。

ここで患者さんの血液はがん細胞と戦うように遺伝子操作されます。(詳細には T細胞の分離と活性化→CAR=T遺伝子をいれる→拡大培養 が行われています)

その後、CAR-Tの血液は病院に搬送され、患者さんにCAR-Tの血液を投与します。

実際に患者さんが行うこと

1)最初のステップ:血液の採取(採血)

2)2つめのステップ:遺伝子操作(改変操作された)された自分の血液を輸血のような形で戻す

ウサギさん
ウサギさん
数回にわたる抗がん剤治療とちがって、1回の施術ですみます。

CAR-T細胞療法につかわれる薬

治療薬は、各製薬会社が続々と創薬に着手しています。

キムリア(Kymriah)

日本で最初に承認されたのが、「キムリア(Kymriah)」。

この薬はスイスのノバルティス社の開発薬であり、一般名は「tisagenlecleucel」。

2019年5月14日、厚生労働省が「キムリア」の国内価格(薬価)を3,349万円と決定し、同月22日から公的医療保険が適用されることになりました。

患者さんの立場で考えると、日本の公的保険でこの『キムリア』を使用した場合は、1割から3割負担となり、「高額療養費制度」(月ごとの医療費の自己負担に上限をもうける制度)をつかうと、年収により額に大きな差がでるものの、十分検討できる医療費となるのです。

イエスカルタ(Yescarta)

アメリカやイギリスで承認されているのが「イエスカルタ(Yescarta)」。

一般名は「axicabtagene ciloleucel」です。 

こちらはアメリカ、ギリアド・サイエンシズの開発薬。この薬は日本では第一三共が権利をもっています。

その他

今後はCAR-T細胞治療薬の臨床試験、治験がさらに進むでしょう。 

実際に大塚製薬がタカラバイオから導入した「TBI-1501」を、武田薬品工業、小野薬品工業、アステラス製薬も創薬提携を行っています。

ペンギンくん
ペンギンくん
多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、無痛性B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫…などのがんに対しての臨床試験もはじまっています。

効果はあるのか?

一言で言うと、『白血病の新薬』をつかう『CAR-T細胞療法は、有効性が高い』と言われています。

かなり進行したガンや、2回以上の移植で寛解しなかった場合での治癒の症例もあります。また、10人中8人の患者さんは治癒(8割!)し、またそのうち約半数が1年以内の再発をしていないというデータがあります。

ウサギさん
ウサギさん
CAR-T細胞療法、まさに最先端の治療法です!

課題・リスク・問題点はないのか?

1)高額の費用

CAR-T細胞療法の1つめの問題は、多額の費用です。

アメリカの価格は、投与一回の価格が約4000万円~5400万円、イギリスでも同様の額であり、現在のところ効果が出た患者さんのみに費用を請求する「成功報酬型」の仕組みをとっています(製薬会社によって異なるでしょう)。

新薬開発のコストや、一人ひとりの患者に対する完全オーダーメイド療法であることを考えると、この莫大なコストは当然かもしれません。。

日本では、まず『キムリア』の薬価が3,349万円と決定し、公的医療保険も適用されることになりました。公的医療保険での1~3割負担と、「高額医療費制度」と使った場合、懸念されるのは、医療費財源の圧迫です。

また、iPS細胞を使った費用をおさえるための研究も進んでいます。

ペンギンくん
ペンギンくん
この莫大な費用を社会保障で賄うには、国の財政も問題になってきます。

2)副作用

2つめの問題は、副作用です。

最も一般的な副作用は、「サイトカイン放出症候群(CRS)」と呼ばれ、投与後の早いうちに現れる副作用です。症状としては、高熱、悪寒、吐き気、疲労感など。 

約7~9割のほとんどの患者さんにこの副作用がでるといわれています。

ウサギさん
ウサギさん
しかし、この副作用には効果的な薬(tocilizumab)があります。

もう一つの副作用は、「CAR-T細胞関連脳症症候群(CRES)」といわれ、投与後5日あたりで現れます。症状としては混乱、せん妄、脳症、激越、発作など。

2日~4日ほどでおさまるようです。早期対処が必須。

これらの副作用・合併症については、さらなる研究とデータ収集が行われています。

まとめ

以上、「白血病の新薬」と新薬をつかった遺伝子療法「CAR-T細胞治療」とはどんな治療なのかについて紹介しました。

ロンドンのキングス・カレッジ病院でこの遺伝子療法を経験したマシューさん(当時27歳)の体験談を読むことができます。↓彼は、急性リンパ芽球性白血病でした。(英語)

https://www.ebmt.org/ebmt/news/patient-experience-car-t-cell-therapy

この遺伝子治療薬は、「究極の最先端医療」と評されていいるものの、副作用の管理や対処、長期的な有効性、どんな患者さん、どんな疾患に対して効果的な反応があるか、、、など多くの課題があります。

ウサギさん
ウサギさん
しかし、今までの治療では治らなかった患者さんにとって 素晴らしいニュースであり、生きるための希望の光です。

この遺伝子治療薬は、今後も様々な病気で検討されていくでしょう。データ収集や研究、臨床試験、治験はわたしたちが考えるより早く、確実なスピードで行われています。

今回、この白血病の新薬や、CAR-T細胞治療について調べていくうちに、「この治療法は、がんや難治性の病気を克服するための大きな一歩だ!」と思わずにないられなくなりました。

あなたの大切なひとも、あなたも、一日の始まりには「今日も美しい日だ」と思えますように。アルノ

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アルノ
アルノ
このブログを書いているアルノです。 妹は急性骨髄性白血病「M6」を患い、わたしは末梢血幹細胞移植のドナーとなりました。 元看護師、現在はイギリス在住、小学生の息子の母です。 『ビューティフルデイズ』は、白血病について誰もが知りたい情報、治療に関することを、経験談をふまえて情報提供するためのブログです。 つらい不安定な生活の中で、すこしでも希望をもって楽しく過ごそうとしている人たちがいたら、「私達も同じです」と伝えたい。